【水戸市 不動産売却】ときわ通心12月号② -介川-
翌日、指定の時間にその女性の方のお宅へお伺いました。
私の実家もなかなかの農家ですが、
その方のお屋敷は入母屋の大きな家に蔵や倉庫が3棟並び、
田舎とは言え、固定資産税だけでも結構な金額になりそうな立派な佇まいでした。
「ごめんください。」
と4枚引き戸の大きな玄関から声をかけると、
「介川さんけ?こっちに居っから、どうぞ。」
と玄関脇にある応接間らしき部屋からお呼びがかかりました。
今どきの家では滅多に見られませんが、昭和の家、特に田舎のお屋敷にはこういった応接間が当たり前のようにあり、タイル張りの土間に立派な応接セットがドンと鎮座するところに、お客が来ると通されることが多かったものです。
「失礼します。」
と、応接間にお邪魔すると、昨日お会いした女性の他に、
息子さん夫婦らしき方々もいらっしゃいました。
改めて、名刺を差し出し挨拶を済ませ、
持参した手土産をお渡しすると、すぐに封が開けられ
「あれ、シュークリームけ!いやね、お茶菓子が無くて、おごご(お漬物)しかなかったから、ちょうど良かったよ!」
と1つを手に取り、
「はい、どうぞ。」
とそのシュークリームを私に手渡ししてくださいました。
同席していた若奥様が気を使って、
先に出ていた日本茶をコーヒーに入れ替えてくださり、
そのコーヒーを一口いただこうとしたのも束の間、
「で、何の話?一応、息子も居たから一緒に話を聞くから。」
と、ただ情報収集のために話を聞きたいだけだったにもかかわらず、
まるで土地の売却交渉でも始まるかのような緊張感が漂い始めてしまいました。
話を切り出しにくい状況でしたが、
ここは私もまじめに話を進め、
ご経営されている販売所の年間を通しての経営状況や、
この周辺の農家が栽培する農作物の種類や出荷量など、
様々な情報収集にご協力をいただいた上で、
最後に、今回の情報収集の目的についてお話ししました。
「昨日、お話ししました○△センターの跡地を、”大型直売所を中心とした道の駅のような複合施設にする”企画提案を、○△センター跡地を所有する母体企業にしたいと考えています。」
話を聞いていたお三方には、あまりにも大規模過ぎる話だったようで、
5~6秒無言の反応だったのですが、
今まであまり言葉を発することのなかった息子さんが、
急に私の前に立ち上がり、力強く私に手を差し出してきて、
「ぜひ、よろしくお願いします。」
と握手を求めてきたのです。
私も、その姿にとてもびっくりしたのですが、
目の前の息子さんの勢いに、つい差し出された手を握り返すと、
「今まで同世代の農家同士で、何度となく将来の話をしてきましたが、自分達だけでは、夢をかたるまでもいかないんですよ。」
「でも、今日の提案を聞いて、なんか…、みんなに聞かせてやりたいと思いました。」
と、さらに力強く、私の手を握り返してこられました。
私は、そんな息子さんの姿になんとなく照れくさくなってしまい、
「せっかくですから、シュークリーム、皆さんで食べましょう。」
と言いながら、冷えたコーヒーを一気に飲み干し、
ふと、お母様のお顔を見ると、
息子さんの姿を見ながらとてもニコニコされ、
「直売所へ出荷する野菜の協力は、私の家が周辺の農家をまとめてあげるから、心配ないよ。」
と、照れくさそうな顔の私に対し、うれしいお言葉を投げかけてくださいました。
現在、○△センター跡地を”直売所を中心とする大型複合施設”とするための企画作成に入っています。
今でも、あの野菜販売所を経営する女性の方とそのご家族とは交流を続け、多方向から刺激をたくさんいただいています。
この企画の提案は、来年の4月。
たくさんの方々の期待が、日に日に私の肩にかかるのを感じ、大きなプレッシャーになっているのも事実ですが、なんとか、この企画を良いものに仕上げ、事業化できる様尽力したいと考えている、介川の近況報告でした。
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